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樽<taru>

Author:樽<taru>


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産地:山形県置賜地方最北山裾
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靖国神社問題
 最近、現外務大臣の麻生太郎氏が「靖国神社に天皇が参拝するのが望ましい」という発言をして、これを中国・韓国のメディアが批判的に報道するということがありました(1/30付朝日新聞朝刊)。麻生氏の発言の意図は、戦没者たちは「天皇陛下万歳」と言って死んでいったのだから、天皇が参拝するのが相応しいということのようです(翌日1/31報道ステーション、より)。果たして亡くなった方々の「天皇陛下万歳」は心の叫びだったのかどうかは、わかりませんから今回はこの点には触れません。
 朝日新聞では、今回の麻生氏の発言はポスト小泉を強く意識した発言との見方をしていますが、これはほぼ的を射ていると思います。
 さて、首相が参拝に行くたびに中国・韓国から批判を受けるこの靖国問題とは一体何なのでしょうか。ちょっと整理してみたいと思います。
 今回、に限らず靖国参拝で日本政府と中国・韓国政府が対立するのは、両者で「靖国神社」とは何を指すのか方がずれている点にあるといえます。
 中国・韓国が問題にするのは、靖国神社にA級戦犯が合祀されており、それを日本政府の公的な立場にある人が参拝を行うこと、です。
 両国にしてみれば、日本の首相が靖国神社を参拝することは、そこに祭られているA級戦犯をも参拝することになり、それは日本政府が公的にA級戦犯を英雄視し、したがって過去の戦争を反省していない、ということになります。
 これに対し日本政府側(=小泉氏)は、参拝対象はあくまで戦争で亡くなった戦没者一般である、というような言い方をします。そしてここではA級戦犯を含むかどうかは意図的に伏せて、あくまで一般論として国のために戦って死んだ人を慰霊するのは日本人として当然、とします。
 これはまったく話がかみ合ってません。しかし中国・韓国が本気で怒っていることは間違いありません。それは日本の軍国主義の復活の危惧、というよりは日本政府が中国・韓国政府に対してあまりにも配慮がない点だと思います。これまでも両国は首相の靖国参拝に強い不快感を表明してきました。しかし日本政府はこれをまともに取り合ってはいません。中国外相の訪日のドタキャンや韓国大統領の日本への批判的姿勢は、靖国問題に対する日本政府への不信感からであることは明らかです。
 戦没者を祭るのに、靖国神社参拝以外にほかに方法がないわけではありません。靖国神社とは別に戦没者慰霊施設を作ることです。靖国神社ではいったん祭った「英霊」(この場合はA級戦犯)はどんな理由があれ、取り消すことはできないと言っていますから、A級戦犯を除いた戦没者の慰霊のための施設を靖国以外に作れば事は解決するばずです。
 しかし、小泉首相はこの方法に消極的です。あくまで靖国でなければならないと考えているようです。純粋に戦没者を祭るためならば、靖国神社でなければならない理由はないはずです。これには自民党の大きな支持団体と言われる日本遺族会の意志が見え隠れします。遺族会では国家を代表するような立場の人(首相)が靖国神社に参拝してこそ、戦没者も報われると考えているようです。ですから、冒頭の麻生氏の「天皇が参拝するのが望ましい」というのも、首相よりも国家を代表するような存在である天皇を持ち出しての遺族会への強いメッセージと受け取られるわけです。「(死後)靖国で会おう」を合言葉のようにして亡くなっていった戦没者の遺族にとっては当然の感情だとは思います。その気持ちを批判しようとは思いません。
 ただ問題は総裁選での得票を目当てにしての「靖国」の利用であれば、それは見ていて気持ちのよいものではありません。のみならずそれが原因で近隣アジア諸国との外交関係がこじれてしまうのは問題です。国どうしの外交ですから、靖国だけが問題ではないでしょう。もっと複雑に問題が絡み合っているはずです。ですが、靖国問題を解決すれば、問題はまだあるにせよ一歩先に進めるはずです。
 他国の干渉に応じないのも政治ならば、他国と妥協(譲歩)するのもまた政治です。アメリカには妥協できるのに、中国、韓国には妥協できないというのはどこかおかしなことだと思います。



追記 
 なお靖国神社問題については
 高橋哲哉『靖国問題』(筑摩書房、2005)ちくま新書
 が問題点を簡潔に、客観的に指摘して有益。
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今日の一ネタ(原稿) | 【2006-02-06(Mon) 22:16:20】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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